現地レポート

【現地レポート⑯】完敗にも悔いのない3年間を誇りに

2019年12月27日

「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は、大会 5 日目の今日からメインコートに。女子はベスト 4 が出そろい、ファイナルへの切符を懸けて準決勝を戦った。

 2 年連続の決勝進出を狙う大阪薫英女学院 (大阪) は、インターハイ女王の桜花学園 (高校総体① / 愛知) に挑んだ。序盤から流れをつかんだのは、#10オコンクウォ スーザン アマカ選手がインサイドで力を奮った桜花学園。大阪薫英女学院はゾーンディフェンスなどで悪い流れを変えようとしたが、相手に飛び込みリバウンドを許し、オフェンスでも相手の堅いディフェンスをなかなか崩せない。第 3 クォーター終了時点で31-67とダブルスコアを付けられ、第 4 クォーターでは決死のプレーを見せるも、61-95で完敗を喫した。

 

 「強かったです…。自分たちのやりたいことが、全然できなかった」

  試合後、大阪薫英女学院のエース・#4 森岡奈菜未選手は、目を真っ赤にし
 て言葉を絞り出した。自身は、2 本の 3 ポイントシュートや外からのドライ
 ブなど、オールラウンドなプレーで19得点。年々プレーの幅を広げてきた 3
 年間の成長を披露したが、チームを勝利に導けなければ本人の口からは反省
 しか出てこない。「シュートは打てていたのですが、決め切る力が足りなか
 った。それに、最後は気持ちだと思うんです。こういう結果になって、勝ち
 たい気持ちの部分が、今日の試合は桜花学園さんのほうが上だったのかもし
 れません」

 屈辱の完敗。それでも森岡選手は、大阪薫英女学院での日々を振り返るうち、徐々に晴れやかな表情に変わっていった。それは胸を張れるだけの、充実の 3 年間を送ってきたからだろう。「苦しいこともありましたが、バスケットだけでなく、人としてもすごく成長できた 3 年間だと思います。それは安藤 (香織) 先生や由子さん (長渡アシスタントコーチ) のおかげです」 と森岡選手。

 中学卒業と同時に地元・岡山県を出て大阪薫英女学院に進み、下級生の頃はハイレベルな環境に「しょっちゅう帰りたくなった」 と言う。しかし 3 年生になる頃には、自らキャプテンに立候補するほどの頼もしいリーダーに。同級生でともにツインタワーを組んできた #6 塩谷心海選手も「チームを引っ張ろうという気持ちが強いし、すごく周りを見ていて、気を遣ってくれるキャプテンだったと思います」 と、森岡選手への信頼を語る。

 心身ともに自らを成長させてくれた安藤コーチへ、森岡選手は「感謝しかないです」 と涙。「今後、能力の部分を伸ばすことはできないかもしれないけれど、もっと練習してうまくなることはできます。高校で教わってきたことを土台にしながら、次のステージで一から練習して成長したいです」 と、恩師への恩返しのためにも飛躍を誓っていた。

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