現地レポート

【現地レポート⑭】尊敬と信頼で結ばれた名コンビ

2019年12月26日

 女子準々決勝、精華女子 (福岡) は、第 1 シードの桜花学園 (愛知) の前に70-94で敗れた。目標だった、創部初のベスト 4 まであと一歩及ばず。ただ、大上コーチは試合後のミーティングで、選手たちに「試合には負けたけれど、お前たちは敗者ではない」 と声をかけた。目標に向かって最大限の努力と準備をしてきた日々に胸を張り、選手たちは涙をぬぐって晴れやかな表情を見せた。

 その精華女子を、1 年生の頃から引っ張ってきたのが#4 樋口 鈴乃選手と#7 三浦 舞華選手だ。キャプテン、そしてポイントガードとしてチームをまとめる樋口選手と、得点源を担うエースとして仲間を引っ張る三浦選手。苦しいときに支え会える、唯一無二のコンビだった。

 3 年間で多くの時間をともにし、もちろんコート上では見えないそれぞれの良さも知っている。樋口選手は三浦選手について、「三浦は周りから『能力がすごい』と言われていますが、自分は 3 年間見てきて、能力ではないと思っています。3 年間、一番努力していたし、入学当時からすごかったけど、そのすごさを感じさせないくらい誰よりも努力する姿勢でチームを引っ張ってきてくれた。3 年間一緒にプレーできてうれしいです」 とのこと。

 一方、三浦選手は樋口選手について「頭が良くて、自分の考えていることもすぐに分かってくれるし、ほかのメンバーの変化にもすぐに気付いて声をかけてくれるキャプテンでした。特に今年は普段からバスケットの話をたくさんして、コート外でのコミュニケーションの量がすごく増えたと思います」 と語る。互いに尊敬し合い、絶対の信頼を置く仲だった。

 2 人の 3 年間を見守った大上 晴司コーチは、「 2 人とも 3 年間で大きく成長しましたが、彼女たちには、この 3 年間で引き出せなかった自分の魅力を、次のステージで引き出せる伸びしろがまだまだあると思います。次のステージでの活躍に期待したい」 とエールを送っていた。

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